インフルエンザと診断されたとき、
「抗生剤は出ないんですか?」
「風邪のときはもらったのに?」
と疑問に思う方は少なくありません。
この記事では、
インフルエンザで抗生剤(抗生物質)が処方されない理由を、
わかりやすく解説します。
結論:インフルエンザはウイルス感染だから
結論から言うと、
抗生剤はインフルエンザには効かないため、処方されません。
インフルエンザの原因はウイルスであり、
抗生剤が効くのは細菌だけです。
つまり、
効かない薬を出しても意味がないのです。
抗生剤と抗インフルエンザ薬の違い
混同されやすいので、整理します。
- 抗生剤(抗生物質):細菌感染に効く
- 抗インフルエンザ薬:インフルエンザウイルスに効く
タミフルやゾフルーザは抗生剤ではなく、
ウイルスに対する薬です。
抗生剤を使うと何が問題?
効かない抗生剤を使うと、
次のようなデメリットがあります。
- 副作用(下痢、発疹、アレルギーなど)
- 腸内環境の悪化
- 耐性菌(効かない菌)を増やす
特に耐性菌の問題は、
将来、本当に必要なときに抗生剤が効かなくなる原因になります。
では、いつ抗生剤が必要になる?
インフルエンザそのものでは不要ですが、
二次感染(細菌感染)が起きた場合には抗生剤が必要です。
例えば、次のような場合です。
- 細菌性肺炎
- 細菌性気管支炎
- 中耳炎や副鼻腔炎を合併した場合
これらは、
医師が症状や検査(胸部X線など)をもとに判断します。
「予防のために抗生剤」は正しい?
「悪化しないように、予防で抗生剤を出してほしい」
という相談を受けることがあります。
しかし、
予防目的での抗生剤使用は推奨されていません。
予防効果はなく、
デメリットだけが大きいためです。
抗生剤が出ない=軽く見られている?
抗生剤が出ないと、
「ちゃんと診てもらえていないのでは?」
と不安になる方もいます。
しかし実際は逆で、
医学的に正しい判断だからこそ出していないのです。
まとめ
インフルエンザはウイルス感染のため、
抗生剤は効果がなく、通常は処方されません。
抗生剤は、
細菌による二次感染が起きた場合にのみ使われます。
「抗生剤が出ない=治療していない」ではありません。
必要な薬だけを使うことが、安全で正しい治療です。


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