病気になったとき、いちばん悩むのが「どの医者にかかればいいのか?」ということ。
身近な病院で済ませていいのか、それとも専門のクリニックや大学病院に行くべきなのか。
特に難しい病気や、なかなか治らない症状のときは、「その道の専門家」に診てもらいたいと思いますよね。
今日は、現役の医師として、そして患者の家族としての経験から、本当に良い医者の探し方をお伝えします。
医師にも専門性の差がある
まず前提として知っておいてほしいのは、
「○○科の医師」=「その病気の専門家」とは限らないということ。
たとえば、心臓の内科医でも心不全を中心に診ている人と、カテーテル手術を専門にしている人では、薬の使い方やカテーテル手術での選択肢の引き出しがまったく違います。
つまり、同じ診療科の中でも専門分野はかなり細分化されているのが現実です。
その医者が“専門”かどうかを見極めるには?
ここで役立つのが「論文の執筆歴を調べる」という視点です。
たとえば、何らかの病名が医師や検査から告げられたとします。
そのとき、「○○病 専門医」などで検索するだけでなく、
**“その病気の名前+医師の名前”**で論文や学会発表を探してみましょう。
🔍 調べ方の例
一般の方でも調べやすいのが、google scholarという検索システムです。
- Googleで 「〇〇病」などと検索(日本語/英語どちらでも可)
- 気になる医師名や病院名があれば、それと組み合わせて検索 「○○病 □□医師」 「○○病 △△病院」
- 出てきた論文のタイトルや要旨を見る → その医師がその病気に関する研究や発表をしていれば、高い専門性の可能性がある
なぜ論文執筆歴が“信頼できる医師”の指標になるのか?
医師が専門分野について学会や論文で発表するには、日常的にその病気を診ていることそして専門的に興味があることが前提になります。
つまり論文を出しているということは、実際にその疾患の患者を診て、治療を考え、改善を追っているという証拠になります。
加えて、発表を通じて他の医師からもレビューを受けているため、客観的にも専門家として評価されていると見なすことができます。
もちろん「相性」や「人柄」も大切
ここまで論文や研究面からのアプローチを紹介してきましたが、
「良い医者」=「論文をたくさん書いている人」というわけではありません。
- 話をよく聞いてくれる
- 検査や治療について丁寧に説明してくれる
- 他の選択肢を提示してくれる
こういった“診療スタイル”もとても重要です。
でも、専門性と人柄の両方を兼ね備えた医師を見つけたいなら、
「この先生はこの病気について深く考え、取り組んできた人なのか?」という視点は大きなヒントになります。
まとめ:病気の“キーワード”をもとに調べてみよう
- 病名がある程度わかったら、それに関する論文や発表を検索してみる
- 医師名がわかれば、その人がどの分野で研究しているかを調べてみる
- 研究者=現場の経験が豊富な可能性が高く、治療方針の選択肢も広い
- 最終的には、説明のわかりやすさや信頼感も大切な判断材料に
病院選びで迷ったら、「診療科」だけでなく、「その病気のプロかどうか」という目線で探してみる。
このちょっとした工夫が、後悔のない医療選びの第一歩になるはずです。
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